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制作理念ってなんぞやって話

最近僕がよく使っている言葉に「制作理念」「設計理念」というものがあります。

ちょっとそれについてお話してみようかなと。

 

www.heroin-powerpro.com

 

ここでピラっと触れましたが、まあ素人のゲーム論というか制作論です。聞く価値があるかは知らないけど、何か作ったりするつもりの人は聞いて欲しいとは思いますよ。

「作る」ってゲームに限らず、こういうブログみたいなものそうだし、感想文みたいなレベルにも共通するものだと思います。そういう話をする。

当たり前のことを当たり前に話します。「わかってるわい!」って話だと思います。というかそうであってほしい。

パワプロ2018のサクセスについて結構扱き下ろすのでそこだけは注意。

 

制作理念ってなんやねん

まず「制作理念」「設計理念」って言葉使ってますけど、「じゃあその言葉はなんやねん」って話から始めます。

個人的には「制作・設計における狙い」といった意味で使っています。が、一応最初に立ち返ってネットとかで調べましょう。

制作・設計に関してはみなさん流石にわかると思うのですが、「理念ってなんじゃらほい」ってなると思うのでそこだけ調べてきました。ドン!

 

り‐ねん【理念】
1 ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。「憲法の理念を尊重する」
2 哲学で、純粋に理性によって立てられる超経験的な最高の理想的概念。プラトンイデアに由来。イデー。

コトバンク デジタル大辞泉より

 

これの1ですね。「こうあるべきだという根本の考え」これです。

 

こんだけ話しておきながら「制作・設計における狙い」という意味で使っていきます。

 

 

ものごとの制作理念について

「制作理念」というのは多岐に渡ると思いますが、根底では一つのことに集約されていると思ってます。少なくともモノを売る人たちでは確実に共通しています。

それは「(買い手にとって)より良いものを作ること」これです。

そこらへんのコンビニに売ってる弁当や農家の人たちが作る農産物、僕らが日常的に触れているスマートフォンや漫画、雑誌など全てにおいて共通している理念です。

なぜならば「より良いものは売れる」からです。

すっげえ当たり前のことを当たり前に話してますが、これを意識できている人はどれだけいるのか…。少なくともパワプロ2018のサクセスには感じませんでしたよ。

 

ただ「より良いもの」ということの答えにも色々あります。

コンビニの弁当は色合いを良くしたり、味を濃くしたり。

農産物は糖度を上げたり、苦味を消したり。

人間はセンセーショナルなものを好むので週間雑誌とかの見出しはかなり過激っぽく書かれてたりします。これもその答えの一つです。

漫画でも最近はポルノまがいのものが増えている印象がありますが、これもその答えの一つです。

ゲームでは「難易度を上げる」というのもその答えの一つですし、逆に「難易度を下げる」というのもその答えの一つです。

これが様々なアプローチがあるので、制作側というのはとても苦しみながら制作しています。僕も動画を台本も書かずに流れで作っていましたが、それでも「より面白いもの、よりテンポがいいもの」を作るようには心掛けていました。

どんなに稚拙でも、これを意識することこそが制作側の矜持です。プライドです。逆にこれを意識していない作品に矜持なんてありませんし、払う敬意も必要ありません。

いいものを作ろうとしていない作品に価値がありますか?

ということです。ないですね。

逆にこの矜持があるものには一定の敬意を払う必要があります。

なので僕はFF15を扱き下ろしたけど、グラフィックや音楽に対しては賞賛したし、パワプロ2018では記事を書いて賞賛できるところはしました。一部分を見つけて「クソ」と断じるゴミクズにはなりたくないので。

 

「設計理念」はゲームのシステムとかのことでこれも同様に「より良い作品にする」ためのものです。

まあごっちゃに書いてるけど同じものだと思ってくださいな。

 

 

制作理念・設計理念に必要なもの

制作理念・設計理念に必要なものとして「なんでこういう作りにしたのか」を説明できる必要があります。

これを話せないもの、「より良いものを作るため」に合致しない説明はその作品・設計に不備があるということになります。

僕もブログに書いた記事を「なんで買いたんや!」って聞かれたら全部答えられる自身ありますよ。

感想に関しては「書きたかったから」みたいなのがありますが、究極言うと「みんなで面白いパワプロを楽しみたいから」が根底にありますね。あのブログの理念はそこです。全てそこに集約されています。なのでそれに反するものは酷評します。

そのために選手を公開するときはより良いものを公開したいし、「どういう考えで作ったのか」をわかりやすくするため査定について書いてるし、「成績が分かったほうがみなさん楽しいだろう」と思って毎回成績はWikipediaさんから引っ張ってきている。結構手間だけど、僕の二次創作未満のそれで楽しんでくれるように作っているつもりです。

 

 

パワプロ2018の赤本システムについて

この話をしたかったんですが、パワプロブログの方で話すのは嫌だったのでこっちでやりました。まあ、この前置きがないと話せないんですよ。

 

で、僕が一番アカンと思ってる赤本の仕様を一度おさらいしましょうか。

まあここに書いてるので箇条書き程度で済ませます。

・パワマップに出てくるのがランダム。

・出てきても赤本が置いているかはランダム。

・目的の赤本が並んでいても1冊しか購入できない。

・1冊につき13,000~27,000くらいの金が飛ぶ。これはバイトコマンド2~4回分に相当する。

・ランク制の特殊能力は1ランクしか下げられない。

 

これですね。まあこれに関する不満は仮面町さんの方で書かれており、ほぼ完全に同意見*1なのでこれに対する僕の見解はそれで済まします。勝手に使わせてもらいました。ごめんなさい。

上述した箇条書きは全て

再現選手を作るのに邪魔になる要素です。

ここを念頭に置いておいてほしい。

 

赤特殊能力についての系譜

 

で、この赤本というシステム。これは赤特殊能力というバッドステータスをつけるというものです。

これの設計理念について考えていく前に、この赤特殊能力のつけやすさについて話しますか。まあパワプロ2013からの話が出来ませんが。

ここからは僕個人の考えですが、おそらく合っているので「合っている」という前提で話します。間違っているのなら「どこがどう間違っているのか」を説明してください。説明のない戯言に向き合う時間は僕には無いです。

 

パワプロ2013~アプリ

まず、パワプロ2013では4月1週に「遊ぶコマンド」を選択すると確定赤特殊能力複数個つけられるイベントが発生します。ただし制限があり4~5つまでで目的のものが出てくるかはランダムです。

ただし、あくまで4月1週に確定で出るだけで「遊ぶコマンド」を選ぶとある程度の確率*2で出ます。なのでそこまで強くない選手であれば狙った選手はある程度制作可能でした。

2014・アプリ*3などでも同様の仕様になっており、多少の制限はあるものの狙った選手を作ることは多少なりとも楽でした。

ただし、パワプロ2014からはランク制の特殊能力がAGまでになったにも関わらずFまでしか下げることが出来ませんでした。パワプロは能力を上げることは出来ても下げることは出来ないので、この仕様に不満があった人も少なからずいます。

それに対する回答として用意されたのが、2016の独立リーグ編です。

 

パワプロ2016

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この画像の通り、球速以外の能力は最低の状態からのスタートになっています。

これはこの「Gに出来ない」ということに対する回答だったはずです。そして、ここには書いていませんが、2014での基礎能力はよっぽどのことが無い限りFから始まってます。上述したようにパワプロでは能力を自力で下げることが出来ないのでGにすることは事実上不可能*4と言って良かったです。

ただしこれにも不備があって、恐らく制作側の配慮なんですがイベントを踏むと赤特殊能力が消えたり、ランク制の特殊能力のランクが上がったり、ということがありました。これもユーザーには(イベントを踏まなければいいものの)少々不便だったりしました。

なのでこれに対する回答として存在したのが赤本の仕様だと思っています。というかそれ以外にありますか?僕にはわからん。

 

 

赤本の特性

赤本であれば好きなとき能力を下げられるというかなりのメリットが存在します。

例えば何らかのイベントでランク制の特殊能力が上がったとしても赤本を使えば解決しますし、サクセス中の試合で能力が下がった状態でプレイできるため試合に勝ちやすくなります。

制作側にもメリットがあります。2016の独立リーグ編は最初から最低の状態だったため色々とそれに対する配慮をした結果、調整が大幅に狂ってしまったのか異常に強い選手が作成可能でした。

どん底からの這い上がり」ということをさせるために組んだシステムが強すぎておかしなことになってしまいました。なので2016では悪名高き「アップデートによる下方修正」が行われました。

ですが、このシステムならばそのような部分に配慮する必要が無いため、大幅に調整をミスするということがなくなります。

ですのでこの赤本という仕様はユーザー・製作者ともにメリットのある、かなり素晴らしいものだといわざるを得ません。

 

赤特殊能力をつけられる仕様の制作理念

次にこの話をします。

じゃあなんでバッドステータスである赤特殊能力をつける必要性があるのかということなんですが、答えとしては単純で「つけたい人がいるから」です。

実況パワフルプロ野球シリーズはその名の通り「プロ野球」を題材にしたゲームで、選手作成のサクセスモードでは「選手の再現」ということで実際の野球選手を作ることを目的とする人種がいます。僕もその一人です。

この遊び方は恐らく昔から…というかサクセスモードが搭載されたとき行われているものです。「プロ野球のゲームを買って、プロ野球ファンがプロ野球選手を作らない*5」なんてありえませんから。

 

となるとより正確に、より「自分の望む野球選手」を作りたくなるのは人間の性です。

例えば「左投手に弱くて盗塁も下手ケガも多くて三振も多いけど、ホームランをいっぱい打つ選手」がいたとします。

そういう選手を「作りたい!」となったらその想いが強い人はそういうように作りたいでしょう。その「盗塁が下手」だったり「ケガも多い」「三振も多い」というのもその人にとっては魅力の一部なのですから。

無論、大体の選手には苦手な分野というのはありますし、弱点、ウィークポイントはあります。それも一つに収まる選手は少ないでしょう。

 

となるとこの「再現選手を作る」という遊びを考えた際、赤特殊能力複数個任意に取得できる必要があります。再現選手に限らず「こういう弱点を持った選手を作りたい」という声に応えるものですが。

なお、複数個を任意で取得できたとしてそれがサクセスモードに与える影響はおそらくありません。あるなら教えてください。

「俺はやらないから」とかいう小学生みたいな意見は聞いてません。問題点を洗い出して突き出してください。それならば話は聞きます。

 

なので赤特殊能力をつけられるという仕様の制作理念は「好きな弱点を自由につけることで色んな選手を使って遊んでもらうこと」のはずです。

これは選手作成モードの制作理念にも繋がります。選手作成モードの制作理念は「好きな選手を使って遊んでもらうこと」です。

色々な選手で遊ぶことはユーザーにとって楽しいことだと思います。野球漫画の選手と実在の選手、昔にいた凄い選手やMLBの選手。それらが対戦しているというのをゲーム上でもシミュレーションするというのは見ていて楽しいのではないでしょうか。僕の一番の楽しみ方はそれです。

それを実現するためのシステムだと思っています。違うのなら教えて欲しい。

「お前が勝手に考えただけだろ」とか抜かす前に「こういう理念だろ」っていうことを教えてください。それだけが反論になりえます。

 

 

ではパワプロ2018はこれに合致するのか

次にこの話ですが、みなさんお分かりの通り

合致はしません。1ミリたりとも

上述したように複数個任意で取得できないです。任意のものを複数個取得しようとすれば超多数のリセット行為を繰り返さないといけませんし強い選手は完全に諦める必要があります。

これは設計理念と大幅にかけ離れています。むしろ逆行していると言っていいでしょう。徹底的に難しくしています。

赤本というシステムの利便性を考えたらこのような設計には絶対にしません。ゲームにおいて邪魔とすら言っていいでしょう。このシステムを組んだ人やそれを通した関係者は頭を使ってませんし、ユーザーが何を求めているのか全くわかっていません。マジで意味が分からない。

 

話は変わってパワプロ2018にはパワフェスというもう一つの選手作成モードがあります。このモードの製作者はそのあたりがよく分かっていて、パワフェスのシステム上赤特殊能力をつけるのが難しいのにも関わらず、色々考えて赤特殊能力を取得できるように配慮してくれています。

完全に任意というわけではないですが、ある程度なら任意で強い選手が作れるよう配慮はしてくれています。これは上記の制作理念についてよく理解してくれている証左に他なりません。マジで尊敬してる。

 

また前作からLIVE選手というシステムがあり、他人の作った選手を円滑に使えるようにしたシステムが存在します。これも上記の制作理念である「好きな選手を使って遊んでもらうこと」に繋がります。

ゲーム全体としてそのような作りになっています。にも関わらずこの仕様で押し通すのは流石に頭が悪い以外の言葉ありますか?ないね。

 

 

「昔はそうだった」という回答に対する反論

で、ここに苦言をしたら「昔はそうだった」っていう人いるんですよ。

じゃあ昔に戻した理由は何ですか?

 

上述したようにどのような設計でも「なんでそうしたのか」を説明できる必要があります。昔はそうだった理由は僕にはわかりません。

KONAMIがサクセスで弱体化させる意義がわからなかった」のか「成長させる楽しみを味わって欲しかった」のか。わかりません。

前者は論外*6だとして、後者だとしましょうか。

じゃあ赤本売り場を置いた意義は?

 

となります。弱体化して欲しくないならそもそもそんな仕様根こそぎ潰せばいいんですよ。でもそうしていない。この意味がわかります?僕にはわからない。

 

僕は何度もこれの制作理念が何なのか考えました。で、出た結果「わからない」んですよね。

いや、答えとして一つあるんですがそれは制作理念でもなんでもないですからね。「再現選手を作らないで欲しい」っていう意味不明極まりないものなんですが。

 

誰か助けてくれ…。

 

 

以前こんな記事を書いてKONAMIに送りつけたんですが

www.heroin-powerpro.com

僕はこれで欲しかったコメントは同調じゃないんですよ。まあ同調意見は「せやな」くらいは思いますけど、それ以上のものを感じない。

僕が欲しかったのは「この仕様はこういう目的で作られたんじゃないですか?だからこの記事に書いてあることはおかしいですよ」っていうこと。

しっかりとした反論が欲しかったんですが、誰も書けてないんですよね。それどころか野次馬根性丸出しのもいて…。辟易としました。

 

まあこんな記事書きましたけど、「こういう目的で作られた」というのがある人は教えてください。反論が欲しいです。マジで。

*1:「ほぼ」と書いているのは単なる保険的な意味合い。「完全」と言うのは人間として憚られた

*2:どの程度かは知らない

*3:サクセススペシャルはアプリと同様なので省く

*4:ケガやダイジョーブ博士の失敗などで可能ではあるものの現実性に大いに欠ける

*5:すっげえ読みづらいと思いますが我慢してください。僕の語彙力が足らんのです。

*6:ここ数年である程度自由につけさせておいてこの回答はありえないので