先週からドラマ「ゆるキャン△」が放送されており、最新話である2話まで見たのでそのレビューみたいなやつです。
総合的な評価
まだ2話目ですが、総合的な評価で言えば「アニメ版の劣化(2話では少し改善してるが)」という印象が強いです。
いくつか理由はあるんですが、その中に「漫画原作だから」というのがあるとは思います。「漫画原作だから」と言えば乱暴ですが、元々の作品がコミカルなだけにそういう表現には実写よりもアニメの方が向いているというのはあるとは思います。
ただそれとは別に大きな理由があるのでそれをガガっと書いていきます。
アニメの焼きまわし
この作品は実写ドラマですが、かなりアニメ版に似せた作風になっています。アニメ自体のカメラワークとかは原作準拠な部分が大きいですが、それに被せるような作風になっています。
30分のドラマで話の区切りとかも完全にアニメと同じです(2話までなので同じになるのはしょうがない気もするが)。アニメ版でもあったコミカルな表現も可能な限り取り入れようとしています。
が、これが個人的には逆効果で「じゃあアニメを見ればいいじゃん」ってなります。コミカルすぎる表現は逆に痛々しさを感じる*1ものになっており、滑り芸に近いものになってしまってます。
何より最悪なのが演者の声の演技で、完全にアニメ版に被せてきてるような演技になっています。これが一番最悪で何よりも実写版としての質を損ねています。
アニメ版の演技は「アニメ」という媒体に適した形での回答としての演技なわけで、それを実写に持ってきたところで良いものになるわけないんですよ。
顕著なのが志摩リン役の福原遥さんで、クッソボソボソ声で喋るんですよ。「お前そんなボソボソ声で喋る人間リアルにおるかーい!」っていうレベルでボッソボソ喋るんですよ!これアニメ版の東山奈央さんの演技がこんな感じだったんですが、マジでモノマネやってんのかってレベル。これが正直言って気持ち悪い。*2三次元のボクっ子はキショいみたいなやつですね。
各務原なでしこ役の大原優乃さんもアニメ版に被せてきてる感あるし、斉藤恵那役の志田彩良さんも声質が同じなのか似せてるのか完全に被ってる。
大半の視聴者が見たかったのは「東山奈央さんの演技をモノマネする志摩リン役の福原遥さん」じゃなくて、「福原遥さんが演じる志摩リン」だと思うんですが何故か前者になってる。
これ十中八九監督の指示だと思う…というかまず間違いなくそうなんですが何を狙ったのか…。いや多分難癖つけてくるであろうアニメハァンに配慮した結果だと思うんですが…。なんだかなあ…。
1話なんかはマジでこの部分が最悪だったので数回に分けてなんとか(なんとか!?)視聴しました。真面目に2話は見るつもりなかったんですが、思いのほか田辺桃子さん演じる大垣千明がいい感じに味出してたんで(とは言えもう少し芋臭さを取り除けなかったのか)普通に通して見れました。主役級の二人がアレなので3話は見れないかもしれないです。
音楽の差
同じ映像作品なので流石に比較してしまうんですが、アニメ版は音楽があまりにも良すぎたので実写版はそれと比べるとあまりにも弱く感じてしまうというのがあります。
というか音楽の重厚さで言えば圧倒的な差があるので比べてもしょうがないんですが。
なんとかしてアニメ版の音楽を引っ張ってこれたりしたら、作品の質がそれだけで向上したんでしょうが権利とかの関係上無理なもんは無理なので、ないものねだってもしょうがないですね。
溢れ出る低予算感
あと、映像から嫌というほど低予算感がにじみ出ています。なんか急に挟まれるPowerPointで作ったような説明コーナーとか1話と2話で斉藤さんが散歩している場所が全く同じとか取ってつけたようなLINEのやり取り挿入とか…。
一番驚いて今でも信じられないのが2話の図書館で出てくる(テントのポールが折れた直後くらい)女子生徒がどう見ても40歳は越えてるおばちゃんだったことですね。20代くらいなら真面目に申し訳ないんですが、どう見てもおばちゃんなんですよ。出さないほうがよかったよ…。
まあ低予算なのはドラマが始める前からなんとなくわかってたのでいいんですが…、うーん。
高級感はなくてもいいけど雑な合成背景で説明の部分は別の表現で頑張ってほしかった。
こんなところですね。1話を途中まで見て上述のように演技がアレだったので、世間の評価はどないやねんと思って見たらなんか好評だったので「嘘やろ!?」ってなって書きたかったんですが、若干かかってしまいました。
せっかく実写でやるんだから演技とかはマイルドにして「なんか可愛い女の子がキャンプやってる」ゆるい感じのドラマを期待してたんですが出てきたのはアニメ版の焼きまわしで結構期待外れ感強かったです。ただ、染髪しなかったのは本当に偉いと思うのでそこは評価点ではある。
監督にはもっとチャレンジ精神が欲しかったです。